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ごまたま入院中です

昨日、ごまたまは手術をいたしました。

今年で7歳を迎えるごまたまです。
病院にやって来たのは4年前、3歳の時です。
それまではお母さん猫として働いていたそうで、3回の出産歴がありました。
来てから1ヶ月後、不妊手術を行いました。

不妊手術を行う年齢で、乳腺腫瘍(猫ちゃんは80%〜90%が悪性です)の発生率が異なることをご存知ですか?
生後6ヶ月以内に手術を行うことで91%、12ヶ月以内に行うと86%、乳腺腫瘍の発生率を低下できることがわかっています。
しかし2歳以上の手術では、発生を抑制する効果はなくなってしまいます。

実際にこれまで診させていただいた乳がんのねこちゃんたちも、2歳齢以降で不妊手術を行なったもしくは不妊手術を行なっていない子たちでした。
(ごまたまのように繁殖猫だったり、やっとのこと捕獲された子だったり、先天的疾患があったりと事情はさまざまです。)

ごまたまの不妊手術時の年齢は3歳。遅すぎると思いました。
この4年間、ずっと悩んできました。
乳がんができる前に乳腺を取ってしまおうか。
でも、必ず乳がんになるとは限りません。
夫はもちろん反対でした。かわいそうと。
確かにかわいそうです。
ねこちゃんの乳腺は腋の下から足の付け根まで長く左右に2【本】あります。
(2つというよりも長いので【本】が適当と思います)
乳がんができた場合は、片方ずつ切除します。(両側同時に切除する方法もあります)
想像してみてください。人間に置き換えてみるとすごい傷ではないですか。

専門医の先生方にも相談してみました。
猫での予防的乳腺切除というのは行われているのか、倫理的にはどうなのか。
【片側の乳腺だけにがんの発生があるけれど正常であるもう片側も切除したほうが新たな乳がんを予防できて寛解期間が長くなるよ】という論文があると教えていただきました。

人間のように乳がんになりやすいかどうかという遺伝子検査はもちろんなく(アンジェリーナジョリーさんが有名ですね)予防的切除が妥当かどうかはわからないし、この先乳がん以外のがんが発生することだってありうるけれど、減らせるものはひとつでも減らしたい。
今はむちむちプリプリとしており、とても健康。
自分の飼い猫なので、倫理的にも問題ないだろう。

家族とも相談をし、とうとうごまたまの予防的乳腺切除を行うことを決めました。
そして昨日、右側の乳腺を切除し猫舎に入院しております。

10日ほど入院予定です。
お腹の毛と下腹部の脂肪もなくなったはずなのに40gしか減っていなかったことに驚愕しておりますが、元気です。
疼痛管理は下僕がしっかりとさせていただいておりますので、ごはんもおやつも食べています。

服も脱いで抜糸も済んだらまたソファでくつろぐごまたまに会ってやってください。
半年後に左側も行う予定です。


(わがままぼでぃは けんざいです😸)

乳腺腫瘍その他のがんについて、とても詳しく簡潔に書かれている本がこちらです。
購入された患者さまに教えていただきました。
がんの専門医、小林哲也先生が監修された【猫の「がん」正しく知って、向き合う】
待合室にも置いてありますのでぜひ手に取ってみてください。

UPDATE : 2022.01.25 kimura Category. : むさし小金井のできごと
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